もちつきで世代間交流

 

もちつきの風景が好きです。私の実家は農家でしたので、年末になると一家総出で大量のもちをついていました。硬くなったおもちは、「水もち」といって、水を張った大きな樽に浸して保存しておくのです。当時は、一日がかりの仕事にうんざりすることもありましたが、今思えばとても懐かしい。

年末年始、八尾のあちこちでもちつきが行われました。もちつきと言えば、近年ノロウイルスによる食中毒が発生して、開催を見合わせたところもあったとか。でも、私の知るかぎり、さまざまな工夫や対策をしながら安全に楽しく行えていたようです。もちつきは日本の伝統文化。たくさんの人がふれあえて、おもちも美味しくいただける、こんな素敵な場を次の世代に引き継いでもらいたいなあと思います。

新年恒例のもちつきでは、高齢者クラブと幼稚園児のふれあいもちつきが印象に残っています。今年で8年目を迎えました。寒さが身に染みる朝、子どもたちは近所の幼稚園から元気にやってきました。人数が多く、一度にもちつきができないので、室内で待つグループには人形劇や紙芝居を楽しんでもらおうという粋な計らいです。

何といっても、もちつき体験が楽しそうです。蒸したもち米の香りが漂うなかで、一人ずつ小さな杵でペッタン、ペッタン。「ソーレ!」「がんばれ!」と応援する子どもたちの声が響き渡ります。高齢者の皆さんも、思わず笑顔になっていました。先生たちが、わかりやすくもちつきの説明をしていたのにも感心しました。さすがですね。

今朝は立っているだけでも震える寒さでしたが、気持ちはほっこりあたたかくなりました。私も、寒さ対策?で、何度もつかせていただきました。帰りに、お土産につきたてのおもちを持たせてもらった子どもたち。家でおうちの人とお話しながら味わったことでしょう。

今、少子化、核家族化が進み、おばあちゃんやおじいちゃんと一緒に暮らす子どもも減っています。こうして、地域で世代間交流の場があることは、子どもの育ちに大きな意味があると思います。もちろん、高齢者にとっても同じことが言えます。高齢者ふれあい農園で、子どもたちに農業体験を通して交流をしていただいていますが、その場に伺った時も、「子どもといっしょやったら、高齢者も元気になる!」とおっしゃっていました。その通りですね。