自然災害から命を守る

今年の夏は、震災・集中豪雨・記録的猛暑と続き、たくさんの尊い命と住民の生活が奪われました。自然災害が起きるたびに、想定外の被害に胸を痛め、災害対応のむずかしさを痛感しています。それでも、どうすれば被害を最小限に食い止めることができるのか、そのあり方を求めて、議会でも議論を積み重ねていかねばなりません。
この間、八尾が直面した課題について、現状を報告します。

◪台風12号接近に伴う「避難勧告」
7月28日16時に暴風警報が、18時16分大雨警報が発表されました。この間18時に、八尾市は全域に避難勧告を出しました。もちろん、それまでに避難所を開設し、避難準備を促していました。
市内全域に避難勧告を出したタイミングは大阪府下では非常に早く、その時には雨風がおさまっていたので、市民の皆さんは避難すべきかどうか迷ったそうです。でも、一人暮らしの高齢者など、175人が避難していたことが後の報告でわかりました。(一覧表参照)西日本集中豪雨による大きな被害の状況が目に焼き付いていたのかもしれません。
市は、今後の台風の異例のコースや気象情報を総合的に判断して、安全な状態で避難できるよう早めに勧告を出したと説明していました。全域を対象にしたのは、「暴風」が懸念されたからです。確かに、雨風がひどくなると予想される夜中に避難する方がずっと危険ですから、今回の市の判断は間違っていないと思います。
ただ、情報の出し方については課題が残っているのではないでしょうか。なぜ、このタイミングで避難勧告を出したのか、避難所に向かうために何を心がければいいのかなど、市民の方々が判断し行動に移すことのできる、ていねいな情報提供が必要です。ある方は、とりあえず避難所に行って様子を確認されたそうです。体育館の暑さは大丈夫?ペットはどうするの?避難所に待機していた職員に、疑問に思うことを説明してもらい、「状況によっては避難しよう」との心構えができたとか・・。
私は今までにも、「やさしい日本語」による誰でもわかりやすい災害情報の出し方を検討すべきだと提案しています。今後も様々な機会をとらえて、声をあげていきます。

◪ブロック塀などの点検

震災時、学校のブロック塀が倒れて小学生が亡くなるという悲しい事故がありました。八尾市でも幼稚園や学校、市営住宅、公共施設303施設の点検を一斉に行い、これまで、議会にも結果報告がありました。
直ちに取り壊さねば危険という箇所はなかったものの、道路に面するブロック塀やプールサイドに設置された塀など、今後の安全を考えれば取り壊すべき施設の数が42か所あるとのことです。早急に予算を捻出して対策を講じるように求めました。
内訳は、

一般公共施設 9
市営住宅   3
幼稚園等   3
小中学校   27

また、民間の家屋や会社の敷地などで、特に通学路に面するブロック塀の場合は、国の動向も見きわめながら、助成金を出すなどして協力を求めていかねばなりません。

猛暑への対策
異常な暑さが続きました。
気温38度に達するという記録的な暑さに見舞われた平成26年にも、私たち文教委員会は、学校現場の視察や調査を行い、そのきびしい教育環境を実感し、エアコン設置の必要性を強く求めました。市は平成27年度に学校の耐震化を100%終えた後はエアコン設置を行うとの考えを示し、中学校の普通教室へのエアコン設置については、財源を確保して工事を進め、今年度で完了します。
しかし、まだ小学校については具体的な計画が示されていません。しかし、昨今の状況を考えれば、早急に実施する必要があります。9月議会において確認し、一日でも早くクーラーを設置するよう求めていきます。
また、夏休み中の部活動のあり方や子どもへの配慮など、学校現場でも様々検討し対応していると聞いていますので、この点についても課題として注目していきたいと思います。