魅力いっぱいの河内木綿

◪すべての工程を手づくりで

河内木綿の魅力に気づかせてくれた萩原星子さんから声をかけていただいて、「河内木綿展」に行ってみました。久宝寺寺内町にある八尾市まちなみセンターの会場には、さまざまな作品の他に糸を紡ぐ道具なども展示されていました。

河内木綿は繊維が短く、しっかり撚り合わせ糸を紡ぎます。手触りは優しいのですが、柔らかすぎるのではなく、どこか芯があるというか、凛とした強さを感じるところが好きです。
萩原さんたちは、綿を育て収穫し、糸を紡ぎ、染めて織り上げるという工程をすべてこなします。手間をかけ相当な時間を費やして作品を仕上げていくのです。織り上げた布やバック、ぼうし、小物など、出来あがった作品は、作者にとって愛おしいものばかりでしょう。また、手づくりだけに、見るものも楽しませてくれました。

 

◪河内木綿の歴史を知る

まちなみセンターがある久宝寺は、実は綿栽培の盛んな場所だったそうです。
河内で綿づくりが盛んになったのは江戸時代。とくに、東の山のふもとあたりで栽培され生産されたものは「山根木綿」と言われ、京都で評判になったとか。また18世紀のはじめに大和川が付け替えられると、川床にできた畑で綿が栽培され、当時の久宝寺村では耕地の7割に綿が植え付けられたといいます。
こんな歴史的背景のある久宝寺では、「久宝寺もめんの会」がつくられています。萩原さんも協力して、久宝寺小学校の子どもたちに、河内もめんを知り触れる機会を提供されたそうです。素敵なとりくみですね。ぜひ、八尾市内の子どもたちに広げてほしいと思いました。

◪伝統文化の継承を

八尾市内でも、河内木綿の伝統を受け継ぎ後世に伝えていきたいと活動されている方はいらっしゃるのですが、全ての工程をやりきる方は限られています。萩原さんは、何とかして河内木綿の伝統文化を継承させたいとがんばっておられます。今、少しずつ萩原さんの活動に参加し集まってくる方々が増え始めたそうです。この地道なとりくみをぜひ応援したいです。