
6月1日から八尾市内の学校が段階的に再開し、今は通常の授業が始まっています。子どもたちの通学する様子を見てホッとしましたが、学校現場の様子が知りたくて、2校の小学校を訪問しました。
◪静かな給食時間
当番の子どもが、できるだけ食べ物に触れないように気をつけて配膳をしていましたが、ごはん係とおかわりは先生が担当します。先生は、子どもに目を配りながら、いつ食事をしているのかわからないくらい忙しそうです。
当番ではない子どもたちは、しっかり手洗いをすませた後、座って待っています。本を読んでいる子もいます。いつもなら机を向き合わせておしゃべりもはずむ給食時間ですが、今は子どもの声がほとんど聞こえません。できるだけしゃべらないよう指導しているのです。
今日の献立は、野菜たっぷりのカレーライスと八尾産の枝豆でした。私は、校長室でいただきましたが、すごく美味しかったです。

◪感染を防ぐために
再開前に、先生たちが様々な対策について話し合っていたそうですが、いざ始まってみると、変更や改善の必要なことがたくさん見つかったそうです。子どもたちの動線や様子を見ながら、コロナ感染を防ぐためのさまざまな配慮や取り組みが、臨機応変になされていました。さすがです。頭が下がります。
でも、今は、学校行事や授業のやり方など、教育活動はさまざま制約があります。子どもどうしの話し合いや集団活動・なかまづくりを進めにくいこと、元気な子どもの声が学校内に響かないことなどが、さみしいし残念だと話していました。
◪消毒作業は先生たちの仕事?
先生たちのご苦労は大変なものです。特に子どもたちの下校後、毎日30分も消毒作業をしなくてはいけません。リスクの高いトイレなど、子どもができない掃除もやっているそうです。
本来、子どもが下校した後の時間は、先生たちにとっては貴重な時間です。気になる子どもを残して話を聞いてあげたり、学習の遅れている子どもに教えたりすることも、今はできないそうです。
放課後も、先生は保護者対応や会議、授業の準備、担当する様々な仕事をこなさねばなりませんが、作業が終わってからのスタートなので時間は遅くなります。若い子育て中の先生などは仕事を持ち帰るしかないのです。先生たちの出勤時間も早くなり、朝7時過ぎには出勤している先生もいると聞きました。
まだまだ進んでいなかった「学校の働き方改革」が、さらに遠のいた印象です。
◪子どもの心や、勉強の遅れはだいじょうぶ?
2年生以上は授業時間を週に1時間増やし、夏休みを9日間に短縮したので、授業時間数は何とか確保できると聞きました。今年から小学校の英語授業も始まりましたし、オンライン授業も進めていきます。やるべきことはたくさんありますが、長い休校後、暑さのなかでの学校生活。子どもがしんどくならないように気を配ってほしいです。
気になるのは、最近、保護者が連れ添って登校する子どもが増えていることだそうです。もしかすると、学校に行くのを渋っているのかなあ、と先生が心配していました。「子どもの心に寄り添っていかなければ」と話していました。私には、先生の心と身体の疲れも心配です。
◪学校現場を応援するしくみづくりを
本当は、先生たちが子どもの心のケアと学習指導に力を入れてもらえる環境が必要だと思いますが、現実はきびしいなあと思いました。国も補正予算をたてて先生や現場スタッフを増やすと言っていますが、未だに形になっていません。予算額もさほど多くはありません。
何とか学校現場を応援するしくみができないかな。八尾市内で地域のみなさんがお手伝いしている学校もあります。先生の代わりに消毒作業をしたり、子どもの検温をしてくださったり・・。そんな素敵な取り組みを広げたいですね。
◪現場の悩み
学年によっては、過密な教室もあります。社会的ディスタンスには程遠い状態です。余裕教室があれば、給食時間を2クラスに分けるなどの対応をしますが、そうできないことが多いです。
30人以内であれば安心なのです。コロナ感染拡大を防ぐためにも、ずっと願い続けている少人数学級(1クラス40人➡30人以下)が実現してほしいものです。そうすれば、先生も増えて子どもにもしっかり目が届きます。国がやるべきです。
消毒液の不足や購入費のやりくりも悩みだそうです。国も予算措置をしましたが、間に合わないとPTA会費を使って買うとか。
忙しいなか、校長先生が教室を案内してくださいました。お話も要望も聞かせて頂きました。現場の状況を伝え何ができるか考え行動したいと思います。ありがとうございました。