外国にルーツをもつ若者の未来のために

NPOとっかびの総会後の学習会は、オチャンテ 村井 ロサ メルセデスさんのお話。日系4世のペルー人で桃山学院教育大学の先生です。三重県伊賀市でニューカマーの子どもたちや若者の支援にも関わっておられたようです。

今日のテーマは、子どもたちの直面する教育課題のなかでも、とくに「高校進学とその後の進路について」です。

◪ニューカマーのきびしい実態

外国人の親は非正規雇用で不安定な仕事に就いている人が多く、人手不足を補うための「使い捨て労働者」で、生活に余裕もないとロサさんは述べています。その状況はこの30年間ほとんど変わっていないと。そういえば、昨年、「外国人労働者、コロナ解雇4000人」と報じられましたが、きびしい雇用状況の実態があらわれていたのではないでしょうか。

また、現在全国に日本語指導が必要な外国籍・日本籍の子どもは5万人以上と言われています。以前に比べると子どもたちへの支援策も充実してきたとはいえ、中学校卒業後の進路状況を見ると、まだまだ課題が重いと言えます。

ロサさんが示したデータです。

◪日本社会の一員として

日本籍外国人の若者の場合、高校進学率は約3分の2、大学は45%。しかし、フィリピン・ブラジル・ペルー籍ではそれぞれ2割、1割前後と言います。そのような中、伊賀市では中学校を卒業した26人が定時制等もふくめ全員が高校に進学できたそうです。その背景にあるのは、

①高校進学に対する肯定的な意識を高められた。

②行政や地域ボランティアなどのサポートが充実。

③ロサさんを含め、身近なロールモデルの存在です。

そして、進路ガイダンスとして高校から次のステップに向けても、地域の国際交流協会やNPO、教育委員会などが連携して若者支援に取り組むべきと主張していました。また、「移民のこどもたち、今後も増え続ける多様なこどもたちも、将来日本の社会を担っていく一員です。多文化共生社会は日本の将来の姿。どの子も、豊かな人間性をもって社会に貢献できるおとなに育ってほしい」としめくくりました。

ロサさんのお話が胸に残りました。

◪八尾市でも若者支援に

八尾市も外国人市民の多いまちです。ものづくりが盛んで、働いている外国人もたくさんいます。

八尾市には、長年にわたって、外国人支援事業や異文化ルーツの人たちとの交流事業などにとりくみ、多文化共生のまちづくりを牽引している頼もしい「とっかび」があり、国際交流センターも国の政策にのり、事業も拡充してきました。さらに、八尾市役所には「こども若者部」が設置され来年度秋には、若者までの切れ目のない支援をうたう「(仮)子ども総合支援センター」も開設されます。外国人が日本語の勉強に通う夜間中学もあります。

学校教育だけでなく、外国人の子ども・若者の卒業後の課題についても視野に入れるよう提言したいと思いました。