学校図書館・本をキーワードに

2020年3月議会で、学校司書配置を求める請願が採択されました。「せめて複数校のモデル校配置から」と求めてきましたが、未だ配置の見通しがなく、とても残念に思っています。

この間も、請願者である「学校図書館を考える会」のみなさんと話し合いや交流、勉強会を続けながら、実現に向けてとりくみを進めてきました。今回のシンポジウムはこうした経過のなかから生み出されたものです。

シンポジウムの司会を務めさせていただきました。

絵の本ひろばで本を届ける

池田さんたちが広げようとしている「絵の本ひろば」と出会い、心動かされました。「図書館へ行きにくい子」「身近に本を手に取れない子」など、本に「距離」がある子どもたちに本を届けたい、みんなでワイワイと絵本や写真集を楽しんでもらいたい・・・、との思いからスタートした活動は、長年教員をしてきた私には衝撃的だったのです。

小学校に勤めていた時、週に一時間、図書の時間がありました。本の貸し出しの後は、「静かに読みなさい」と指示をして時間を過ごします。思い返せば、なかなか本を選べない子がいたなあ、読書が苦痛になっていた子がいなかったかなあ、子どもに応じたサポートや寄り添いができていなかったのではと、絵の本ひろばのとりくみから気づかされました。

本への「ハードル」を低くして、きちんと読まなくても大丈夫。安心して好きな本を選び手に取る。まわりの人と一緒に楽しんでもいい。そんな空間のなかで本好きになる子どもが増えそうな気がします。

本に触れ楽しむ機会の少ない子どもたちに本を届けるために必要なのは、本と面展台。面展台は、池田さんたちの活動に賛同した段ボール関連事業者が協力してくれたと聞いています。

組み立ても持ち運びも簡単。何よりも、本の表紙がズラリと並ぶから本を選びやすいし、ワクワクする空間づくりにも貢献しています。八尾市立図書館に相談すれば本と面展台をセットで貸してもらえるそうです。

池田さんは、活動の風景を画像で紹介しながら、こどもに優しいまなざしで語りました。私もさまざまな機会に絵の本ひろばを紹介し広げていきたいと思います。もちろん、学校図書館でもとりくんでほしいですね。

    (20+) 加藤啓子の「絵の本ひろば」を広める会 | Facebook

学校司書って必要!

山田さんとは教員時代から知り合いで、学校司書配置を求める請願者の一人でもあります。そもそも司書の役割は?なぜ、学校に司書を配置すべきなのか、文科省の考え方や学校現場の課題などと関連させながらわかりやすく話してくださいました。

現在、八尾市の小中学校には有償ボランティアとしての図書館サポーターが配置されています。一日4時間、小学校では週に4日(16時間)、中学校では週2日(8時間)という限られた時間で、熱心にサポートしてくださっています。

しかし、それでは文科省が求めるような図書館教育の充実にはつながりません。サポーターの方々からも、ボランティアではなく司書としての任用を求める声が請願につながりました。

山田さんのお話を聞き、あらためて学校司書の必要性を感じるとともに、司書の認知度を高めながら、さらに司書配置の実現にむけて頑張っていきたいと思いました。

学校図書館を居場所に


中学校の図書館が子どもたちの居場所になると聞いて、会派議員といっしょに大阪市立市岡中学校を見学させてもらった時に、居場所事業をおこなっているNPO法人FAIRROADの栗本さんに出会いました。

もともと、地域活動協議会という地域住民の団体との協働事業として学校に入り込み、労働組合連合の社会貢献助成金「連合愛のカンパ」を自主財源としてスタートしたそうです。当時、中学校としても学校図書館の活用を迫られていて、ニーズが一致したのかなあと思われます。

その後、大阪市のさまざまな助成金を使って事業を展開し、不登校生徒のアウトリーチ型支援も行っていきます。教室に入りづらい生徒のための教室(居場所)は八尾の中学校にもありますが、学校図書館を開放しているとりくみはなかなかありません。

でも、本に囲まれ本に出会える環境の中で、教員ではない多様な人が関わる場所だからこそ、さまざまな可能性がうまれてくるように感じます。

不登校の生徒には、スタッフが寄り添って学習支援をしたり、話を聞いたりすることで、人との関りや学習に自信をもち、教室に帰っていく生徒もいるそうです。本当にすばらしいとりくみですし、八尾でできないかなあ?真剣に考えてみたいです。

また、週に1日、放課後の居場所としても使っています。私たちが見学した時は、ちょうどその日で、放課後の居場所がない子、本好きの子、友達と過ごしたい子などが集まってきて、とてもなごやかな様子でした。そこには、地域の方がいらっしゃって、生徒と笑顔で話している様子が印象に残りました。

今回、あらためて栗本さんのお話を聞かせていただき、学校図書館の可能性が広がりましたし、「地域の真ん中に図書館を」すえることの大切さに気づきました。これからも、教えて頂きたいことがいっぱいです。

講師のみなさん、ありがとうございました。

シンポジウムの様子を動画で

コロナ禍で2回の延期を経てやっと開催できました。しかし、多くの方に参加いただくことは難しく残念です。それで、シンポジウムの様子を動画(YouTube)で見れるよう対応しました。もし、ご希望の方は大星までメールでお知らせください。ご案内します。

大星のメールアドレス bigstar43@coda.ocn.ne.jp

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