高安山の魅力を体感

高安の森ハイキング

信貴山口駅前に八尾市の「東部山麓史跡図」が立っています。その前で、企画者の服部さんが行程を説明してくださった後、いよいハイキングのスタートです。天気も良くワクワク感たっぷり。

途中、江戸時代に大阪で活躍した初代女形の歌舞伎役者、芳澤あやめの墓がある場所を教えてもらいながら、市民の森へ。ここは、八尾市民にあまり知られてないかもしれないけれど、大阪が一望できる桜の美しい自然公園です。私は姉と来たことがあります。今日は、くっきりはっきり、淡路島まで展望できそうな最高の景色を楽しみました。

うっそうと木々が茂った森の中に岩戸神社がありました。天照大高座神社(あまてらすおおみかみたかくらじんじゃ)と隣接していて、石段脇を上り下りすることで二つの神社を行き来することができました。

天照大神高座神社は、その名の通り天照大神を祀っていて、とても古い時代を感じさせるものでした。祭殿の脇には「白飯の滝」があり、今も一筋の滝が勢いよく落ちていました。また、山の谷間の岩盤のうえに本殿があるのも、とても珍しかったです。岩場にマムシが出てきたのもビックリ。

岩戸神社は、以前は木彫りの弁財天像がご神体だったそうです。仏教色が強い神社だったのですが、明治時代の神仏分離によって弁財天像は別の寺に移されたとか。江戸時代には商売繁盛の神様として大阪の人々の信仰を集めたと記されています。歴史のある神社なんですね。

ここには初めて訪れました。境内はとても厳かで、深い苔・樹木や滝・水・空気からパワーをもらえるスポットです。こんな場所が八尾の山麓にあるなんて驚きです。

次は梅岩寺へ。587年、蘇我氏と物部氏が戦ったときに、聖徳太子が崇仏派である蘇我氏の勝利を願って、勝軍木とよばれるヌルデの木で四天王像を刻んだそうです。その木が生えていたのがこの地で、ここに観音様を祀ったのが梅岩寺の始まりであったと記されていました。ここも聖徳太子ゆかりの地なんですね。アーチ型寺門は、中国風寺院のものです。

タナゴファームにて

タナゴファームは、NPO法人ニッポンバラタナゴ高安研究会の活動拠点です。バラタナゴが泳ぐビオトープの水を使い、農薬や化学肥料を用いない菜園です。菜園では四季折々の野菜や植物を育て、収穫した野菜などを使って料理をつくったり、ピザを焼いたりしながら、参加者がワイワイと和める場所になっています。今日は、タナゴファームで、自然のつたを使ったリースと米粉ピザづくりに挑戦しました。

木々に絡まるつたを取り除き、リースをつくりました。柔らかいつたを丸く形づくり、木の実やリボンを飾りました。樹木を弱らせ森林の働きを低下させるつたを取り除くことも環境保全のひとつだと教わりました。さらに価値あるリースを作れば、一石二鳥ですね。

最後は、お楽しみのピザづくり。米粉でつくったピザの生地を棒で平たく伸ばし、トマトソースや野菜、チーズなど好みのものを載せました。野菜は服部さんの畑で採れたものです。

石窯で焼く体験もしましたよ。炎が熱くて汗がポタポタ落ちてきましたが、焼きあがったピザは最高で大満足でした。米粉のピザはモチモチしていて、この食感にハマりそうです。お腹がいっぱいになったところで、ハイキングは終了です。

一日の里山体験を通して、お世話してくださった方や参加者の皆さんと楽しく過ごすことができました。歴史・自然・環境をテーマに、「思い」をもった人たちと出会い、つながりができたことをとても嬉しく思います。本当にありがとうございました。