熊本現地調査(2)

 

西原町・益城町・熊本市  2016年7月21日~22日

 

■避難所を訪ねて

 

ある小学校の避難所を訪ねました。ピーク時は700人程の住民が避難していたそうですが、現在は106名。高齢者が多いと聞きました。体育館内は空調が完備され、プライバシーが確保できるよう一世帯ずつカーテンで仕切られていました。一区画は3畳ほどの広さです。体育館の外に、仮設集会所がつくられ、テレビやテーブルが備えつけられた共用スペースになっていました。

 

しかし、自炊できる状況ではなく、食事は主として弁当やパン、おにぎりなどで、栄養の偏りが心配されます。初めの頃は、医療・介護スタッフによるケアがなされていたようですが、現在は保健師が健康チェックをしているとか。

 

熊本市は、5月2日、連休明けの小中学校の授業再開を前に、公民館やスポーツセンターなど学校以外の18カ所を「拠点避難所」にし、移転できるよう整備したうえで受け入れを進めました。

 

最近、仮設住宅への移住も始まっています。しかし、「場所が不便」、「住環境になじめない」などの理由で小中学校の避難所にとどまり続ける住民は少なくありません。

 

 

大阪の子どもたちと違い、ここではまだ一学期の授業が行われていました。ちょうど2年生が生活科の勉強でセミの観察をしていました。汗をびっしょりかきながら体育館のまわりを駆け回り、元気な声をあげていました。

 

■教育現場から

 

熊本市教職員組合を訪ね、熊本市内の学校の様子を聞かせて頂きました。

 

震災直後19日から5日間の緊急点検で24校(16小・8中)の体育館が倒壊の危険があるということで閉鎖になったと聞いて驚きました。校舎も含めれば、使用禁止や落下物を取り除く必要があり「危険」と目視で判定されたのが134棟。子どもたちや避難している方々に大きな被害が及ばなかったことは、不幸中の幸いと言えるかも知れません。

 

被災した子どもたちのなかには、市外に転校した子もいます。5月3日現在で、375人。そのうち、286人が籍を置いて「体験入学」の扱いで移っています。その場合、今年度末まで校区外転居が認められるそうです。

 

また、子どもたちの心のケアが必要です。熊本市教育委員会の調査では、「カウンセリングが必要」とされる子どもの数は震災直後から減ったものの、2ヶ月半後になって新たに必要な子がでてきたと言います。東日本大震災では5年たった今もケアの必要な子がいるそうですが、度重なる余震で不安定な時期が長かった熊本でも、長期的に子どもを見守っていかねばなりません。

 

 

行政はスクールカウンセラーを配置し対応しています。一方、教職員についても見過ごせない状況があります。教職員は、被災時から児童生徒の安否確認や避難所運営にも当たってきました。日ごろと違ったストレスを感じ、うつやPTSDの疑いがあると判定された教職員は、調査に回答した4597人の約6%。教職員が元気でなければ、子どもたちを支えられません。人的配置などの対策が必要だと感じました。