熊本現地調査(3)

西原町・益城町・熊本市  2016年7月21日~22日

 

2.震災と障がい者

東日本大震災では、障がい者の死亡率が住民全体の約2倍に達したという調査結果が出されました。「障害者と防災」というテーマ設定で、阪神淡路大震災以降、多くの課題が残され教訓を生かす努力がされてきたにも関わらず、今でも障がい者が避難所に行けない実態があると指摘されています。国際的な防災会議では、「障がい者ニーズを特別なものととらえるのではなく、様々な人たちが持つ個性的なニーズとしてとらえ応えるのが当たりまえ」という「インクルーシブ防災」の重要性が打ち出されています。今回の熊本震災で障がい者がどのような状況にあったのかを調査することで、今後の防災計画に反映させたいというのが、今回熊本を訪れた大きな理由です。

 

■「にしはらたんぽぽハウス」(NPO法人)の活動

 

障がい者の「居場所づくり」として、2005年に、のどかな西原村でスタートした地域活動支援センターです。障がい者への偏見をなくすために積極的に地域に出向き、小中学校の子どもたちとの交流を進めるなど「心づくり」にとりくんできました。また、地域の特産品を使った加工食品作りや農作業などの「仕事づくり」も行っています。利用者が毎日の食事を作っていますが、同じメニューを一般の方に300円で提供し、子ども食堂も開いています。私たちも豚丼ランチを美味しく頂きました。他にも、子育てサークルや料理教室、講演会を開催するなど、日常的に地域の人たちとの交流がされています。さらには、ホームレスや認知症の方々が利用者やボランティアとして集まり、お互いに助け合いながら運営されている様子も聞きました。

 

 

このような中での被災。当時、家を失い行き場をなくした人たちが集まってきました。多い時には、約25人が生活していたそうです。まずは炊き出しを始め、困っている障がい者に物資を届けにまわりました。利用者以外の情報提供がないなかで(役場が提供したのは6月)、個別に家を訪問しながら「たんぽぽ」につなぐ、その結果、あらたなつながりやふれあいが生まれたと話していました。避難場所になじめず、危険な家に戻ったり車中泊をしていた自閉症や多動の子どもたちの現状も目の当たりにし、「たんぽぽ」で泊まらせたケースもあったそうです。

 

 

役所の対応は、「平等」「画一」「守秘」を重んじるというのが私の印象ですが、被災時にはもどかしく受け取られることがしばしば。ここでも、「全員に行きわたらないことはしないで」とストップがかかることもあったとか。これでは、スピーディな対応ができず、個々の支援が遅れます。「たんぽぽ」のように、今までに培われた地域や人とのつながり、民間のノウハウ、マンパワーをフルに使えるようなしくみづくりが必要ではないでしょうか。「たんぽぽ」のスタッフは、利用者と力を合わせ、懸命にしたたかに被災者の個々のニーズに応えていかれたように感じました。話して下さった上村施設長(写真・愛犬五郎丸と)は元社会福祉協議会の職員。さすがです!

にしはらたんぽぽハウスのHP

http://www13.plala.or.jp/tanpopo-imacoco/