熊本現地調査(5)

 

西原町・益城町・熊本市  2016年7月21日~22日

 

■その他、気づかせていただいたこと

 

(1)民間を信頼して支えるしくみづくり

 

「たんぽぽハウス」「ヒューマンネットワーク熊本」のスタッフとその周りにつながる全国の事業所による対応・支援は、障がい者の個々のニーズに応えられる細やかでスピーディな対応だと思いました。行政は民間を信頼し、そのスタッフが動きやすい支援のあり方を考えるべきではないでしょうか。

 

 

(2)安否確認について

 

顔の見える関係づくりが必要です。障がい者が利用している事業所、地域の関係者、隣近所の住民などがカバーし合うことで安否確認がスムーズにできると思います。自治会長が避難所に連れてきた例もあるそうです。消防団による情報共有と安否確認があってもいいのではないかという提案がありました。

 

 

(3)個別避難計画について

 

ケアマネなど民間の力をどのように活用するのか、連携ができるのか検討する必要があります。また、災害時にどこに避難するのか、配慮すべきことは何か、薬など持ち出すべきものは何か等、だれが救出にきてもわかる情報を、冷蔵庫の中などに示しておくのも一つの方法だと話しておられました。

 

 

(4)介助サービスの請求について

 

4月18日熊本市との確認で、支給決定を越えた介助サービスについても請求できることになったそうです。支給上限額を撤廃し、避難所も自宅と同じ扱いにするということです。また、帰宅支援についてもケアプランに入れ、帰宅後も継続してヘルパーを使えるようにすべきではないかという指摘がありました。

 

 

(5)福祉サービスにつながっていない障がい者、手帳など持たないが配慮が必要な人たちを、どう支援するか、考える必要があります。

 

■終わりに

 

障がい者だけに限りませんが、『「自分がここにいちゃいけないのだろうか」と思わせないこと。「いつでもここにいていいんだよ。」といえる日常の社会づくりが大事です』という言葉が印象に残っています。排除ではなく共生の社会をつくること、これは私が目標にしていることですが、大きな震災がおきるたびに、まだまだきびしい課題や実現への壁があることに気づかされます。しかし、その解決に向けて努力を重ね、小さなことから取り組んでいくことが「災害に強い、すべての人にやさしいまちづくり」に一歩ずつ近づいていくのだと信じています。

 

 

そのような意味で、今回熊本で出会った方々から貴重な体験を聞かせていただき、様々な問題提起をして下さったことに感謝します。つたない報告ですが、お礼の気持ちを込めたいと思います。ありがとうございました。